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2024年12月13日 07:02
パートナー様寄稿)PowerStore OS 4.0での新機能QoS
※情報ガイドステーション掲載済み記事を転載しています※
こんにちは。CTCテクノロジーの廣原です。
2年程前にも情報ガイドステーションで記事を掲載させていただいたこともありますが、ひさびさの寄稿です。(※過去記事はこちら ① ② ③)
今回はPowerStore OS 4.0で強化されたQoS(Quality of Service)について検証してみましたので、以前のPowerStore OSバージョンと比較して紹介いたします。
QoSの実装自体はミッドレンジ以上のストレージアレイでは珍しくはなく、これまでのPowerStore OS 3.6以下でも「類似の機能(=Performance Policyと呼ばれるもの)」は実装しておりました。
PowerStore OS 4.0からはPerformance Policyの設定に加え、明示的にQoSの設定が出来るようになりました。
比較)
PowerStore OS 4.0~ |
~PowerStore OS 3.6 |
IOPsおよび帯域について、明示的な上限の設定が可能。 ・絶対値(Absolute Limit) ・GBあたりの密度(Density based Limit) ・バースト値(Burst)
※Performance Policyの設定も可。 |
Performance Policyによる設定が可能。Low/Medium/Highの3択(デフォルトはMedium) 相対的な優先を行うため、単一ボリュームに設定してもQoSによる制限は行われることはなく、数値設定はできない。 |
Performance Policyは正直あまり実用性がない(と私は思っていました)ため、QoSが実装されたのは非常に良いと思っています。(使う・使わないに限らず、RFPに含まれることもあるため。)
意図した通りに動作するか確認してみました。
【設定】
1.Storage > Quality of Servie(QoS)から作成。
2.対象のボリューム(またはボリュームグループ)にチェックを入れ、More Actions > Change QoS Policyから作成済みのQoSポリシーを割り当てる。
※ボリュームまたはボリューム作成時に作成済みのQoSポリシーがあれば、作成時に割り当て可能。
【確認結果】
今回は最大値でIOPsを8000に設定しています。
QoS変更前は約16000程度。
QoS設定後は約8000まで抑制。グラフでは設定値(8000)をわずかに超えて見えることもあり、きっちり設置値厳守ではないようでした。(たいしたブレではないので許容できる範囲と考えます)
帯域に制限は設定していませんが、QoS変更前は60MB/s程度。
IOPsのQoS設定を受けた影響で、帯域も低下。
IOPsと帯域は同時に設定できますが、大抵はどちらかの制限値に引っ張られてしまうので、両方設定しなくてもよいでしょう。(帯域はIOサイズにも依存します)
“GBあたりの密度”での設定は、100GBのボリュームに対し、例えばIOPsに100と設定すれば
100(IOPs)x100(GBあたりのIOPs)となり10000 IOPsに抑制されます。絶対値同様に動作確認はできましたが、結果については割愛します。
なお、制限値に達したり、制限値の状態がしばらく続いても、特にアラートが発報されるようなことはありませんでした。
バーストオプション(Burst%)は、一時(数秒間)だけ最大IOPsまたは最大帯域幅の超過を許容することが可能です。
テストパターンを変えながら実施してみましたが、残念ながらグラフ表示でバーストしているところを出すことはできませんでした。(こちらはほんの数秒しか効果は見られないものであるためグラフ表示は厳しいのかもしれません。)
効果は数秒ということもあり、よくあるVDIのブートストーム等の対策に必ずなるとはいえないかもしれませんので、「おまけ機能」と考えた方がよいかもしれません。
参考情報)
まとめ
QoS設定はオンラインで設定・変更可能であり、UIの動線もわかりやすく(ここ大事)、実用的な機能だと思いました。サイジングにゆとりがある場合は、あまり気にしなくていいかもしれませんが、ストレージ性能を担保するようなサービスがある場合には是非活用してみてください。
最後までご覧頂きありがとうございました!
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