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2025年7月3日 03:45
PowerScaleのPoolシリーズを理解する

AI向けストレージとして注目を集めているPowerScale。製品担当をしているわけではないのですが、コミュニティにおいてIsilon時代からよく見てきた製品であるので、そこそこの理解はできているつもりです。
そこで、今回は結構こんがらがるPowerScaleのPoolシリーズ、つまり
- Disk Pool
- Node Pool
- Storage Pool
- SmartPools
- File Pool
なんてものの関係性について「現時点で自分はこう理解している」ということを書いてみます。
イメージ的には
Disk Pool < Node Pool ≦ Storage Pool | SmartPools > File Pool
といった感じですが、説明としてはNode Poolを最初にするのが分かりやすい気がします。
Node Poolは、同じような属性(ファミリー、シャーシサイズ、世代、RAM容量、SSD/HDDドライブの容量や搭載数等)を持ったPowerScaleノードを複数(3台以上)まとめることによりできるPoolです。このNode Poolがないと書き込む容量が存在しないために、ストレージとして利用できません。
そしてNode Poolが作成された時に自動で作成されるのがDisk Poolです。これはイレージャーコーディングによる障害時のデータ保護を目的としています(RAIDとは全く別者ですが、モチベーションは似たようなものと考えてOKです)。これはユーザーが設定した保護レベルに従い自動的にPowerScale内で作成されるので、通常我々は意識しません。
そしてPowerScale 内で実際にユーザーが利用するディスク容量の枠組みを意味するのがStorage Poolであり、複数のNode PoolをTieringして束ねたものである場合が多いです(SmartPoolsがEnableになっていないとTieringの意味はないですが=>後述)。
今、異なるタイプのPowerScaleを利用した(つまり複数のNode Poolで構成された)Storage Poolを持つクラスターがあったとします。
もしも当該クラスターでSmartPoolsがEnableになっていなかったら、これは一つのStorage Poolを持つ巨大なストレージであり、ユーザーからの書き込みデータはどこに(どこのNode Poolに)入るのかは決めることができず、各ノードに分散されて保存されることになります。
一方で、SmartPoolsがEnableになっていれば、クラスター内で複数のStorage Poolを設定することが可能になりますし、ユーザーからの書き込みデータはFile Poolポリシーに従い、ユーザーの希望するTier(≒Node Pool)に書き込まれることになります。
つまり、SmartPoolsもFile PoolもPoolと名前がついていますが、実は物理的なディスク容量とは全く関係なく、物理的なStorage Pool(の中にあるNode Pool)に対する書き込みのルールを決めているものなのです。
この記事の内容が少しでも皆様のPowerScaleの理解に役立つと幸いです。