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2025年4月23日 04:32

AIにより変わる組織構造と仕事の未来を予想する

AIにより変わる組織構造と仕事の未来を予想する

2024年度最新ストレージ運用交流会で話をした内容とかぶるのですが、複雑化してきたITインフラの全体像を一人の人間が理解するのは難しいのですが、生成AIの登場によってそのハードルは一気に下がったと感じています。

つまり、今の時代は以下図にあるようなすべてのレイヤを「ある程度」理解しているITインフラのジェネラリストエンジニアになることは全然可能になってきているということです。

そのようなジェネラリストエンジニアになることができれば、生成AIの作成する成果物のハルシネーション有無を判断した上、「複数の」正確な情報から「最も適した」情報をピックアップすることができるようになります。

というようなことを考えていると、思い出すのは2023年にサム・アルトマンが来日した時に言っていた

「AIはTaskを奪うかもしれないが、Jobは奪わないだろう」

という内容と、ほぼ同時期に松尾先生が言っていた

「今後は小さな会社が増えていくでしょう」

という内容のことです。

この2つは同じ未来を言っていると思っていて、それはどういうことかというと、今まで仕事(Job)だと思っていたことが実はタスクでありそれはAIに取って変わられるかもしれない。

その結果、これまでタスクを行うために必要とされていたリソースは不要となり、小さい会社でも今の大企業と同じ位のアウトプットを出すことが可能となるために(小規模な会社でも)社会に大きく貢献する仕事(Job)を提供できるようになる。ということです。

実際のところ、冒頭で書いたITインフラのジェネラリストエンジニアが登場するのはまさにこのような世界です。

図にあるストレージ、SAN/IPネットワーク、サーバー、コンテナ/仮想化、データエンジニア達が今はたくさん仕事(Job)として働いていますが、テクノロジーの進化によりそれらがもうAIが対応できるタスクへと切り替わってしまうということが起きる可能性があります。

もしもそれが起きてしまうと次に何が起きるのか?

おそらくは組織内の階層構造がぎゅーーーと統合されることになるでしょう。

組織ではは経営層と実行部隊のように分かれていて、会社の社会での役割/貢献や今後の方向性(ビジョン)を決めるCEO的なトップと、その下で戦略や戦術に落とし込む経営層。それら戦術を実行にうつす部隊をまとめるマネージャー層、およびマネージャーに束ねられる実際の実行部隊という構成になっていることが多いと思います。

そしてあまりこういった話には出てきませんが、実はこのマネージャーと「技術職の」実行部隊の間に、おそらくキーパーソンとなる技術を理解して、良し悪しを判断できる人がいるはずです。組織的にあまり大きくなければCTOがその役割を担っているかもしれません。

このキーパーソンがうまく機能している組織では、市場の予想外の変化に柔軟に対応し、市場が大きくなっていった場合にもストレスなくスケールアウトするような技術やシステムを採用することができます。

このようなキーパーソンがいることによって技術的に間違えた方向にいかないことが担保されるために、マネージャーは社員の管理をアウトプットベースで安心して管理することが可能となり、社員が働きやすい環境を整え、社員のやる気を維持することで会社はうまく回ります。

ただ、ここの実行部隊の層でAIと人間の大きな違いが一つ出てきます。それはAIは人間と異なり「やる気」などというものは関係ないという点です。

これは、人間が仕事(Job)だと思ってこの層で行ってきたことが、今後はAIがタスクとして処理をすることになるかもしれないことも意味しています。

そのためにこのレイヤではマネージャーに必要とされていた、「人間力」や「人たらしと言われるコミュニケーション力」など、これまで重要視されてきた能力はあまり意味を持たなくなります。

その結果どうなるかというとマネージャーの重要度が相対的に落ち、AIが作成する成果物を適切に判断することが出来る前述のキーパーソンの重要度が高まる可能性が高いのではないでしょうか。

つまりここでマネージャーという階層が統合されて消えていくことになります。

ただ、この統合は上からの統合なのでしょうか、下からの統合なのでしょうか?

これは場合によって異なるが回答だと考えていますが、上からの統合となると経営層がAIの成果物を技術的に判断する必要があり、下からの統合となるとキーパーソンは技術だけではなく経営的(ビジネス的な)判断も出来るようになる必要があります。

さて、これはどちらの方が実現性が高いでしょうか?

これも人によるでしょうが、それより重要なのはこの統合が出来ると、それ以外の統合は比較的簡単に出来るということです。

つまり「社会に〇〇というサービスで貢献をしたい!」と言った場合に、(それがデジタル空間で完結するのであればという前提が必要かもしれませんが)今まででは起業をして人を集めて役割分担をしてやっと実現できていたことが、圧倒的な少人数、もしくは一人でも実現できてしまう世界、

それがAIがもたらす未来の姿であり、サム・アルトマンのいう「AIはTaskを奪うかもしれないが、Jobは奪わないだろう」であり、松尾先生が言う「今後は小さな会社が増えていくでしょう」なのだと思います。

そして、これまで出てきた「キーパーソン」になりえる可能性が高い人材は「ITインフラのジェネラリストエンジニア」なのではないかと自分は考えています。

世界がこのように変わっていく可能性があるタイミングで、ITインフラのジェネラリストになれればその先に自分一人が世の中に大きな影響を与えることが出来るようになる。そんな面白い業界と時代に我々はいるということを実感し、この機会を最大限に活かし日々の挑戦を通じて社会に貢献して行けるようになりたいです。

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