新しい会話を開始

未解決

Community Manager

 • 

5.3K メッセージ

12

2025年6月12日 04:11

AIがもたらす未来のトレンド予測:「アナログ回帰」と「エモーショナル回帰」が鍵になる

AIがもたらす未来のトレンド予測:「アナログ回帰」と「エモーショナル回帰」が鍵になる

「未来が予測できたら、色々と便利だろうな」

多くの人がそう思っているように、私もそう思っているのでここ20年くらい時間があればそんなことを考えたりしています。その中で

「やっぱり使えるのはこれだよな」

という、考える時の軸となるものがあるのですが、それらは

1) 螺旋的発展の法則

2) 巨人の肩に乗る

の2つです。

簡単に説明すると、1)は以前流行っていた事物は再度流行るが、その時には前回の流行時よりも何かがレベルアップしている。2)は新しいものはそれまでの積み重ねの上に成り立つ。ということです。

 

1)に関して具体的な例を挙げるとすると、集約と拡散のパターンが我々の業界とは馴染みやすいと思います。例えば、20世紀に主流であった集約型のメインフレームが、UnixやWindowsなどによって拡散(Open化)していった後に、21世紀になってクラウドという集約型に戻ってくる。

もう少し最近の例でいうと、ストレージ、ネットワーク、サーバーと3 Tier型に拡散されていたITインフラストラクチャーが、ハイパーコンバージドとして集約された後に、GPUを必要とするサーバーの需要増によって再度3 Tierの拡散型に戻りつつあることなどが挙げられるでしょう。

 

また、2)に関する具体的な例は、ノーベル賞的な発明が世界中でほぼ同時に発生することなどが挙げられると思います。巨人の肩に乗るということは、過去の偉人の偉業の蓄積によって、その上に更に新しいものが生み出される。そしてその生み出されたものは新たな偉業となり、その上でまた次のものが生み出される。ということが繰り返されていることを意味しているのですが、これまでの蓄積された偉業をベースに何か新しいものが生まれる素地ができると、その素地に気が付いた世界中の研究者が同じようなタイミングで次の偉業を成し遂げるということが起きるわけです。

 

そう考えると、生成AIもこの例に当てはめることが可能です。過去の偉業により、電気が使えて、コンピューターやGPUなどが存在している。そのような素地がなくては生成AIの実現は不可能です。

 

  

そして多くの場合、この1)と2)が合わさるところで未来への変化が起こります。今2)としてあるものが前述の生成AIを含むAIテクノロジーだとすると、1)で螺旋を描き戻ってくるトレンドは一体何なのでしょうか?

ここで「次に来るのはこれだ!」ということを明確に書くことができたら良いのですが、実はまだそこまでの未来は見えていないというのが現実だったりします。

とはいえ、注目している大きな流れは2つあります。しかもそれらはAIテクノロジーによってその回帰を加速度的に促されていると考えられるものです。

まず1つ目はデジタルからアナログへの回帰です。ここ数十年の間にIT革命によってデジタル空間で広がった世界が、AIの登場により現実社会に染み出してくるでしょう。

例えば自動運転などがその例です。デジタル空間で培われたテクノロジーを利用して、アナログ空間の社会に存在するものを動かし、我々の生活様式まで変えていくことが考えられます。

そして2つ目はロジカルからエモーショナルな考え方への回帰です。これから先はロジカル思考的な価値が低下する一方で、心に訴えかけるような物事の価値が上がっていくでしょう。

少し前の時代を考えてみると、20世紀の終盤から最近までは、ビジネスに関してはロジカルに考えることで利益を上げることができていました。

そのためにロジカルシンキングがもてはやされ、昭和のエモーショナルな根性論的な考え方は否定されてきていました。しかし、最近のAIはロジカルシンキングが上手であるために、AIを利用する多くの人がビジネスをロジカルに扱うことができるようになり、そこに競争力はなくなってしまうでしょう。

そうなってくると、別の価値観が重要視されて競争力を持つようになると考えられますが、それが何かというとロジカルでは説明できない(もしくはしても納得感がなんとなく得られない)エモーショナルなものになるのではないかという予想です。

 

では、先述のようになぜAIテクノロジーが、アナログやエモーショナルへの回帰を促すのでしょうか。それは、AIが人間のロジカルな思考領域を代替することで、希少価値が人間の持つ身体性(アナログ)や感情(エモーショナル)に移るからです。

これは、かつて機械が人間の肉体労働を代替したために、知的労働の価値が高まったという構造が逆転して起きていると考えることができ、ここにも知的労働(ホワイトカラー)から肉体労働(ブルーカラー)への回帰による螺旋的発展が存在していそうなことが分かります。

というか、この知的労働の価値が減少していくという大きな螺旋を分解すると、デジタルからアナログ、ロジカルからエモーショナルという2つの螺旋が出てくるという理解の方が分かりやすいかもしれません。

もしもこれらの考えが正しいとすると、今まで必要とされてきたロジカルな処理に関してはAIに任せることにして、人間はもっとエモーショナルで動く部分にフォーカスを当てていくという世界が出てくるのは当然に思えます。

これらの考え方に賛同してくださる方がいらっしゃいましたら、巨人の肩に乗って生まれたAIと、2つの螺旋的発展、アナログ回帰とエモーショナル回帰全てが交わるところにある未来はどのようなものになりそうなのか、どこにビジネスチャンスや新たな価値創造のチャンスがあるのかを是非考えてみてください。

(そして何か発見があったらコメントで教えて頂けると嬉しいです)

レスポンスがありません。
イベントは見つかりませんでした!

Top