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2025年6月4日 04:30
PowerScale A300(L)について
Sizerを利用しながら選定などで分からず確認です。
A300, A300Lの違いはどういった事になるのでしょうか。
1.
1-1.A300LはL3キャッシュのみという事ですが、通常のSSDを追加している場合との違いは何になるのでしょうか。
ガイドやCommunityなど見返すと、Meta Dataのみという事ですが、通常 A300で利用するSSDもMetaも入るかと思います。
1-2.性能やワークロードによる選定基準などありまうでしょうか。また、性能的な違いはどうでるのでしょうか。
2.
L1,L2はメモリ(RAM)を示すモノという認識ですが、ReadとWriteの動きなど分かる資料ありますでしょうか。
A300とA300Lで動きが違うのであれば分かる資料などご紹介頂ければ幸いです。
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Uehara Y.
Community Manager
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2025年6月5日 02:26
A300でもA300LでもSSDはL3キャッシュとしてのみ利用されます。
(ユーザデータは全てHDDに保存されます)
では違いは何かというと、A300はL3キャッシュ用としてのSSDの容量(800G、1.6T、3.2T)と本数(1本か2本)を選択できるのに対し、A300Lは800GのSSD1本のみしか利用することしかできません。
また、細かい仕様の話としては、社内資料(といっても2021年9月17日に実施されたWebiner資料)からの情報であり、一般に公開されたものは見つけられなかったのですが、A300LのL3はMeta Dataのみ対象とするモードで動作するのに対し、A300はMeta Dataに加えて実データもL3キャッシュに保存する(通常)モードで動作するようです。
それに加え、KB000191200-IIsilon: A300 and A3000 SSD caching strategyを確認すると、A300ではL3キャッシュをDisableにできるが、A300LではDisableに出来ないという違いもあることがわかります。
Aモデルはアーカイブ用でユーザデータの保存にはHDDを利用するという立場(=それほど性能が必要ではない)にあることもあり、選定基準について明記されたものは見つけられませんでしたが、前述の通りA300はA300Lよりも性能面で上の構成を取ることができるので、アーカイブ向けとはいえパフォーマンスも重視する場合にはA300を選択した方がよいと言えるでしょう。
Dell PowerScale OneFS SmartFlash File System Caching Infrastructureというホワイトペーパーがかなり詳しく書かれているので一番参考になると思います。
(ちなみに、前述のL3のモードの違いは当該資料P.28の最後に「L3 cache has a metadata only mode (as opposed to data and metadata) to support archive-series storage nodes.」というように記載があります)
[参考までに私の理解を簡単に書いてみます]
WriteはL1とL2のみ利用、ReadにはL1、L2、L3を利用(L3はオプションなので設定しなくてもOK、ただしA300LとA3000LはL3が必ずEnableにされる)。
Readが複雑なのだが、クライアントが最初に参照するのがL1であり、そこでの情報はクラスタ内の全てのノードで(MESIプロトコルに従い)一貫性をもたせている。
L2はノード毎に独立して動作しており、アクセスされそうなデータを前もってL2キャッシュに展開してある。そのL2の容量が足りない場合にはL2データのデステージ用としてL3が利用される。
L1、L2の動作はA300とA300Lで同じです。L3の動作だけMetaだけを対象にするA300Lと、Metaに加え実データも対象にするA300という違いがあります。