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2022年12月13日 18:00
【Coffee Break】APEX Data Storage Servicesの出荷容量ってどうなってるの?
この投稿は「ちょっとしたストレージ関連技術のTIPSを思いついたら書いてみる」というコンセプトで、デル・テクノロジーズ社内のTeamsグループ/チームでゆる~く運営されている「Coffee Break」からの情報抜粋です。今回はAPEXスペシャリスト(というか社内ではCloudの父ともいえる大御所)からの投稿を抜粋しました。
今日はAPEXの話をしたいと思います。日本でもAPEX Data Storage ServicesがGAとなり、案件支援も多い状況ですが、そのなかでお客様がAPEXコンソールで実際に契約する基本容量に対して、実際どれだけの物理容量が出荷されるのという質問が多いので、今日はその解説をします。
APEXはご存じのとおり、アウトカム(成果)ベースのサービスです。すなわち、お客様がやりたいことを問題なく実現できるインフラを、お客様はその構成を気にせずに利用できることを意味します。よって、実際にお客様に出荷されるストレージ構成もそうした考えに基づいたものになっています。では、実際にどれくらいの容量で出荷されるのか?皆さんはPowerSizerからそれを確認することが可能です。
えっ!まさか、今になってPowerSizerでADSSのサイジングが出来るの?なんて方はいないですよねぇと思ってはいますが、もう一度おさらいのためにその手順も振り返ってみましょう。
PowerSizerを開くと、Product Familyから”APEX”を選択します。
次にサイジング条件を指定します。
- Management Framework: 運用主体は誰か?Dell ManagedまたはCustomer Managedを選択します。
- Service Family: BlockまたはFileを選択します。
- Workloads: お客様が検討している基本容量を入力します。また、お客様から性能プロファイルが入手できれば、最適なパフォーマンス階層をガイドしますが、無くても構いません。
- Term: 利用期間ですが、特にサイジングには影響しません。
条件指定が完了し、”SIZE SCENARIO”ボタンを押すと、条件に合致したサイジング結果が表示されます。ここではCapacity Optimizedを見てみます。
提供されるストレージのモデル、アプライアンスおよびドライブ構成、アプライアンスあたりの最大パフォーマンスなどが確認できます。
次に赤枠部分の”Appliance 1>>3000T”をクリックすると、ここに出荷される物理容量が表示されます。
基本容量50TiBに対して、出荷される実際の物理容量は34.92TiBとなります。ラフに計算しても、DRR3.5:1を想定したホスト書き込み容量、+25%のバッファ容量、メンテナンス用の予約領域はカバーできる容量が提供されます。Balanced (PowerStore5000T)だと、標準のドライブ構成が7.68TB SSDとなるので、50TiB契約でもさらに潤沢な容量が出荷されることになります。いずれにしてもお客様には基本容量契約の分しか課金は発生しませんのでご安心ください。
ここでまた追加の質問がいくつか。
Q. ADSS BlockはDRR3.5:1想定だけどそれを下回る場合どうなるの?
A. DRR2:1まではデルは頑張ります!(バッファリソースを追加します)
ただし、DRR2:1を下回る場合はごめんなさい!追加リソースのための割り増し料金を頂きます。
これはADSS Service Offering Descriptionsに明記されています。
なお、ADSS FileはそもそものDRR想定が低い(または無い)のでこの適用はありません。
参考文書:ADSS Service Offering Descriptions(日本語)
https://i.dell.com/sites/csdocuments/Legal_Docs/ja/jp/apex-data-storage-services-onpremise-sd-ja.pdf
Q. スナップショットを多用した場合はどうなるの?
A. ホスト書き込み容量をベースにサイジングすると容量不足の可能性があります。サイジングの条件(基本容量)はあらかじめスナップショット使用計画分も加味してください。また、2つのADSS間でレプリケーション構成を取る時も同様です。
今日はこの辺で。APEXもアジャイルに、常に変わり続けるサービスなので、この場でタイムリーにフォロー出来ればと思います。